今日は、9月のレポその2。コンサートとフランス料理のコラボイベントをオルガニスト・小島弥寧子さんがレポートして下さいました。許可を貰って
彼女のブログから転載してます。
その1は
こちら。
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軽井沢コルネの「トラベルシエール」というフルート系の音色のパイプ。
真ん中に小さい穴が開いているの、おわかりでしょうか?
小さな穴をあけることによって生まれる、ちょっとした雑音のようなものが
このパイプの音色のキャラクターになる。
トラベルシエールはロマン派以降のオルガンに採用されているので、
フランスのバロックを弾くために作られているような楽器には、本来ないはずのストップ。
きっと、いろんな曲が弾けるようにという制作者の意図から加えられたのだろう。
とても美しい音がするので、リコーダーと似て非なる音として
2日目のリコーダー奏者辺保陽一さんとのアンサンブルの時に使ってみた。
楽器の持ち主の大澤圭三さんも嬉しそうに「ね、この音きれいでしょ?」
そんなわけで他のものに比べて普段使われることの少ないこの音色、
パイプにほこりがたまっているのか、
ある音が発音されにくい。
そこで圭三さんが取り出してきて修理してくださった。
オルガンの裏側を説明して下さる圭三さん。
檻の中に見えなくもない...
ストップの
裏側はこんな風。
この操作で、選んだパイプに風が通ることが可能な状態になる。
これは鍵盤の裏側。
トラッカーと呼ばれる棒状の木が鍵盤と連動している。
トラッカーは、最終的にはそれぞれのパイプの下についている弁に到達する。
それにしてもこうやってみるときれいだなあ。
1日目のコンサート&お食事終了後、しっかりお昼寝してから
辺保さんとリハーサル。
キャパシティーの少ないわたし、
初の2日間連続別のアンサンブル、プログラムに決死の挑戦中にて
ここあたりから極端に写真が少なくなっています。
ところで、この間はカストールのみなさんに混じって、
朝昼晩とすべてのごはんを一緒に食べさせてもらった。
夢のまかない料理をちょっとご紹介。
わたしもすっかりシェフ気分。
暖炉からはカレーのいいにおいが。
本番前に食べ過ぎかしら?
弾く人はともかく、楽器を吹く辺保さん、こんなに食べてだいじょぶ?
(ぜんぜんだいじょぶ、びくともしませんでした。)
おやつは焼きマシュマロ
きのこたっぷりのお味噌汁。
サーモンの薫製
レンズ豆とソーセージなどなど。
美味しい中国茶を朝晩銘柄を変えて入れてくれる方まで。
こんな本格的な茶器で。
夜のくつろぎのひととき
てきぱき、くるくると働くスタッフのみなさん
食べてばかりではありません。(本当か?)
2日目はすっかり辺保さんに構成や進行をお任せして、
イタリア初期バロックの世界にどっぷり浸かる1時間。
ただいま楽器の説明中。
アンコールではちっちゃくてかわいい笛も吹いてくれた。
今回はベラルディ、ロニョーニ、コペラリオなんていう
私のまったく知らない、舌をかみそうな名前の作曲家の作品ばかりを演奏した。
知らない時代、知らない音楽と向き合うことになって
最初は非常に苦労した。
コペラリオなんて、正直なところしばらく「よくわかんないなあ、この曲」
と思いながら練習していた。
...が、何回目かの練習のとき、突然楽しくなった瞬間が。
2人して「いいねえコペラリオ!」という言葉が同時に出た。
アンサンブルはこういう瞬間がたまらない。
2月に行われる辺保さんのリサイタル情報は
こちら から。
聴きにきてくれたかわいらしいお客様、オルガンにそおっと触ってみる。
彼女達の記憶にこの音色が刻まれますように。
木漏れ日のなかでひとやすみ
あるお客様の見事なさんまのととうもろこしの食べっぷり。
思わず写真に撮っちゃった。
これで美味しさがわかるかな?
12月12日に行われるカストールのディナー付きクリスマスライブの情報は
こちらから。
残席わずかです!