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9月のフレンチビュッフェ&コンサートに寄せて

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9月のコラボコンサートに、去年に引き続き出演なさる小島弥寧子さん(写真上)が、ご自身のブログでコンサートへの意気込みを綴って下さっています。こちらでもご紹介させていただきますね。

9月18日は、カウンター・テノールの本岩孝之さん、
バロック・ヴァイオリンの天野寿彦さんとともに、
9月19日は、尺八の加藤秀和さんとともにアンサンブルをお届けします。
さわやかな秋の軽井沢の午後、コンサートを聴いていただいた後は、
フレンチ・レストランカストールの美味!な
アウトドアークッキング(ビュッフェ)をお楽しみ
いただけるという、すてきなコラボ企画です。


第1日目 9月18日 【秋の軽井沢・バロックアンサンブルの午後】
今年の秋の軽井沢のコンサート、第1日目は声楽、ヴァイオリン、オルガンによるバロックアンサンブルの響きをたっぷりお楽しみいただきます。

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本岩さんは↑、カウンター・テノールという特殊な音域を出すことのできる、数少ない歌い手のひとり。かつて、ヨーロッパの教会では女性が聖歌隊で歌うことが禁じられていたために、女声のアルトパートを男性がファルセット(裏声)を使って歌うようになったのがカウンター・テノールの始まりです。

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一方天野さん↑は現代使われているモダン・ヴァイオリンではなく、バロック時代に演奏されていたそのままの形、音色のバロック・ヴァイオリンを弾きこなすエキスパート。



そんなお2人とオルガンで共演するのは、まず3大アヴェ・マリアのひとつと言われて、親しまれているカッチーニのアヴェ・マリアです。この曲は本岩さんの十八番で、これまで2人で何度一緒に演奏したことでしょうか。実はカッチーニの作品ではないのでは?などと言われている謎に満ちたものですが、なにはともあれ名曲です。

そして、バッハのマタイ受難曲の中でも一番有名なアルトのアリアを。世にも美しいヴァイオリンの旋律が心に染入ります。

また、今回のプログラムの中でオーベルタンオルガンの輝きを最も引き出すと思われる、フランス古典期に活躍したクレランボーの第2旋法のミサ曲は、グレゴリオ聖歌を組曲の間にはさみながら演奏を進める、昔のフランスのミサの形式を再現してみます。軽井沢にいながら、まるでフランスの修道院にいるような感覚をその場にいらっしゃる皆さんと共有できたら幸せです。

さらに、バロック・ヴァイオリンの音色もじっくり堪能していただきます。「人類史上」とか、「世界一」美しいヴァイオリンの秘曲、と言われているビーバーのロザリオのソナタから、第1番「受胎告知」をオルガンの通奏低音とともにお送りします。


第2日目 9月19日 【和の笛・洋の笛】

コンサート第2日目は、がらっと雰囲気を変えて。
たくさんの笛が一緒に鳴るヨーロッパの歴史的な楽器、オルガンに日本の伝統的な竹の笛、尺八がたった一本で挑みます。

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尺八の加藤秀和さん↑とは昨年秋に軽井沢でご一緒した後いくつかのコンサートを経て、2人でいろいろ試したり話あったりしながらすこしずつ尺八に合うもの、合わないものを探ってきました。

この楽器の最大の特徴は音と音の間にある、楽譜には書き表すことができない高さの音も表現できるということ。イタリアバロック最大の作曲家、フレスコバルディの半音階的リチェルカーレはそんな尺八の響きに驚くほどぴったり合います。

半音階の感じがより強調される、音と音の間を自由に行き来する奏法、そして加藤さんの奏でる霊的ともいえる音色は圧巻です。

また、オルガン曲のなかで一番有名なあのトッカータニ短調に、尺八にもアドリブで参加していただきます。

加藤さんは即興的な演奏もお手のもの。
とんでもなく斬新で、バッハもびっくり!するようなトッカータが生まれるかもしれません。さらに今回は、オルガンと尺八のためにつくられた曲をぜひプログラムに加えたい、という思いから、オルガニストの酒井多賀志氏が作曲された「オルガンと尺八の為の対話」を演奏します。

尺八本来の厳密なピッチにこだわらない、西洋の楽器からすると不安定な美しさ曖昧な良さを存分に生かしながら、オルガンとの刺激的な対話が繰り広げられます。加藤さんはひとたび演奏する段になるとすっと姿勢が正されて、腰がしっかり決まって「気」が入ります。その場の空気が一瞬にしてぐっと締まるのを感じます。

私も彼が作り出すそのすごい空間に、なんとか必死で食らいついていきたいものです。

さあ、どんなサプライズが生まれるでしょうか。

9月の軽井沢の心地の良い風と午後の陽射しの中で、美味しいお料理と音楽をお楽しみください。お待ちしています!

お申し込み&詳細はこちら
by karuizawa-cornet | 2010-09-09 14:27 | コンサートインフォ

軽井沢コルネのオーベルタンオルガンのお知らせページ


by karuizawa-cornet